8月13日(火曜)からお盆が始まります。
日本では昔から、8月13日の夕方に「迎え火」をしてご先祖(祖霊)を家に迎え入れます。
「迎え火」~「送り火」の間には祖先の霊が家に滞在しているしるしとして「盆提灯(ぼんちょうちん)」を家におきます。
そして、8月16日の夕方に「送り火」をしてご先祖(祖霊)を送ります。
秋田の「竿燈(かんとう)」や京都の「五山送り火」はこの「送り火」が発展したものです。
青森のねぷたも先祖迎えの祭りですし、徳島の阿波踊りで顔を隠すように花笠を深く被るのは踊り手が
祖父祖母父母かもしれない、そのように思わせるように顔を隠して踊るのです。
要するに「お盆」とは、ご先祖(祖霊)を崇拝させて頂くことです。
もともと仏教には、ご先祖(祖霊)を崇拝するという風習はありません。
もともと日本の神道で日本人はご先祖(祖霊)を崇拝していました。
先祖崇拝や供養は日本に仏教が渡来する以前に行っていたのです。
先祖崇拝・先祖供養は、日本オリジナルの「神道(しんとう)」の「先祖供養」であり「儀式」でも「神事」でもあります。
その後、日本の神道の神事と仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が習合して
「お盆」になったのですが、我々日本人という民族は昔から先祖の魂を重要なものとして考えていたのですね。
より詳しくいいますと、江戸幕府はその日本古来(神道)の儀式や神事を、
仏教で行う事として強要して現在の「お盆」という形にしていったのです。
さて、お盆の時期に、私たちが注意することがあります。
成田空港で出国のピークだなんてTVのニュースでやっていましたが、
このお盆の時期に旅行などで家を空けないことです。
なぜなら昔からこのお盆のときは「地獄の釜の蓋が開く」と云われております。
要するにこの「お盆」の時期に地獄や天国にいらっしゃるご先祖が現世(我々の住む世界)に来ても良い。と、
神さまが祖霊たちに「唯一子孫に会いに行って良い」と許された期間なのです。
ですから、みなさんの家にご先祖さんが帰って来たのに誰もいないと、ご先祖さんたちが、私達を誰も迎えてくれないのか、、、。と寂しがります。
それから、、お盆が近づくと、「何となく体が疲れる」、
「頭がボーッとする」、「やる気が出ない」という症状が現れます。
この症状は夏バテのせいばかりではないのです。お盆が近づくにつれてさまざまな霊が動き出すので、色々な影響が出てくるわけです。
ですから、昔の人はこのお盆の時期には引っ張られない様に海に入るのを控え、
山に登ることを控えていたのです。普段起きない事が起きてしまう。これもお盆の特徴です。
「お盆」は、ご先祖(祖霊)が神様からご許可をいただいて、霊界から子孫のところへ降りられる唯一の時期です。
では、お盆にはどのような態度で過ごす時期なのでしょうか。
故人や先祖とともに楽しく過ごす、しみじみ過ごすという態度が大事です。
仏壇は綺麗にして。花や飲食などのお供えを忘れないようにしましょう。
人間世界では、8月13日に会えますか?と訊ねると「その日迎え火だから会えないです」なんて仰る旧家の方に良く会ったりします。
特に旧家ではその風習がしっかりと守られていて、その都度、日本はまだまだそういう文化が失われていないな〜。と実感します。
一般に関東では7月、関西では8月にお盆は行われる風習がありますが、そう単純に分かれているものではなく、亡くなった時代や地域、その他の要素が絡み合って、
7月に出て来る人もいれば、8月に出て来る人もいます。それからほとんどの人が8月中旬頃までウロウロしているといいわれます。
なので、お盆の時期にはおいしいものをたくさんお供えして、素晴らしい神社やお寺などで供養をしてあげましょう。
しかるべきお寺でご供養をすることで、不思議と皆さんのやることなすことがすんなり通ったりしてきます。
即ち、ご先祖様のためにさせていただく事が=ご自分のためになっていく。
ということになるのです。